私にとってのNLPとは
泣いてばかりだったキャリア支援初期
キャリア支援を開始したのは2010年でした。
100人規模の1年生のキャリアデザインの授業をサポートするアシスタント講師をすることになったのですが、
「学生さんの何を見ていいか分からない」ので、うまく介入もできません。
キーとなる学生さんが誰かさえも判断できず、どのように教室を回ったら良いかさえ分からない。
自分では動いているつもりでしたが、グループをサポートできないことばかりでした。
授業前日は胃が痛くなり、帰りの西武線の中で自分の不甲斐なさに毎回泣きました。
大学支援の仕事がしたくてキャリアコンサルタントの資格を取得したのに、このままでは続けられない。
そう思った私は必死に「何をすべきか」を探り始めました。
上手くいっている講師やキャリアコンサルタントの先輩達。
勿論経験を積んでいるからうまくいっている点もあったでしょうが、その方達の多くがNLP(神経言語プログラミング)を学ばれていたのです。
「エヌエルピー・・・なんだ、それ。」
聞きなれない名称に、「うさん臭さ」を感じつつ、情報を集め始めたのです。
NLPとの出会い
調べてみると
心理療法もカウンセリングもコーチングも網羅しているコミュニケーションの手法らしいことが分かりました。
「脳の取り扱い説明書」と説明しているサイトもありました。
すでにキャリアコンサルタントの学びは経ていたので
「カウンセリングスキルを高めることにも役立つのか?」
「コミュニケーション力を高められるなら役に立つかもしれない」
キャリア支援の現場で追い込まれていた私はあるNLPスクールの門をくぐりました。
NLPのスクールに初めて通った日々を今もよく覚えていますが、とにかく毎回が新鮮でした。
キャリアコンサルタントの講座でカウンセリングやキャリアについて、沢山学んだつもりでしたが、自分のこと(外からの情報のキャッチの仕方や、自分のコミュニケーションのパターンや自分の中にある複数の感情に気づくなど)を多くのワークから知ることができました。
「自分に対して意識的にも感覚的にも『こんなにも』向き合ったことは初めて」でした。
大学でのキャリアの授業については、苦労はしていましたが学びと共に安定してきました。
ある時先輩講師に言われたのです。
「ふっきー(吹野のこと)、その目の使い方、どこで覚えた?」
目の使い方に無頓着だった私はそんなFBに驚きました。
先輩にNLPを学んだのです、と答えると
「ああそういうことね」と、納得している様子でしたが、正直当時の私には何が変わったのか分かりませんでした。
でも講座の楽しさと
人生をより良くしたいと考えるクラスメイトの影響もあり、NLPに関しては「もっと知りたい」と
卒業したクラスの上級コースに行き、
さらにリソースパーソンも何度か経験させていただきました。(リソースパーソンとは卒業生がアシスタントのような立ち位置でクラスに参加でてきる制度。無料で学ぶことができる制度です)
また(雑な言い方をすれば)NLPとは様々な心理療法を集めたものですので、一つ一つを深めたくもなりました。
もちろん全てを深めることはできませんが、
例えばプロファイル技術などは、NLPの講座ではなくそれを専門にしている先生のところに学びに行きました。
そしてNLPは三人の天才セラピストのやり方をモデリングしたもので
その中の催眠療法(ヒプノセラピー)にもかなりの時間をかけて学びました。
先に書いたように
何が変わったのか最初は説明できませんでしたが、
NLPを学んだあと、キャリア支援者としては順調に成長の道を進めました。
その根底には自分への受容感がありました。
東京生まれでお金持ちではありませんが、ごく普通に育った私は器用貧乏故に人の顔色に必要以上に気づく子供でした。
キャリア支援をスタートした頃も自分よりも他人ばかり見ていました。周りの先生への必要以上の畏怖や敬意、学生さんに対しても過敏すぎるくらいに反応して、優先順位さえつけられなくなっていたのです。
そんな私がNLPを通して落ち着いて学生やクライアントさんを見られるようになったのです。
自分らしさを慈しむ
NLPを学んだことで何が一番変わったかと言えば・・・
自己受容できるようになったこと。
「見てはいけない」「そんなネガティブなものは封じたい」
NLPを学んでからは、そんな思いに駆られることはなくなりました。
まだまだ自分の感情に蓋をしている部分もありますが、以前に比べて
「自分に関心がある」
「自分に丁寧に向き合おうとしている」
「自分に嘘をつかないようになっている」
「自分のことが好きになっている」
そんな自分に気づくことができました。
私がキャリア支援を始めた理由は
「若者が社会に出るときに、自分らしく羽ばたいてほしい」という想いからでした。
それは私が遠慮をし、大きく羽を広げられなかった経験を持っているからなのです。
しかし今は
「別に羽ばたかなくても良い。ただ自分のことを必要以上にいじめないで、そして自分の良さや個性を大切に生きてほしい」と思っています。
成功するとか、羽ばたくとか・・・誰が決めるのでしょう。
それよりも
自分で自分の人生を大事にする。自分らしさを慈しめる。
その方が大切だと今の私は感じています。
まだまだ自己嫌悪することもありますが、私はそんな考え方を自分の中に浸透させて、本当に生きるのが楽になりました。
長くなりましたが
私にとってNLPは本来の自分に向き合わせてくれるものです。
自分を慈しむことを教えてくれたものなのです。